以下の記述は古いものです。参考程度に残してありますが、「東風CIDフォント」が配布停止になった現在、使い物になりません。特に問題がなければPSファイル経由でPDFに変換する方法 をご覧ください。
ここで用いている「東風フォント」のTrueType版は既に開発・配布が停止しています。詳細に 付きましては、
http://www.on.cs.keio.ac.jp/~yasu/jp_fonts.htmlを御覧下さい。ここではCID版を用いていますが、公式サイトでもいまだ配布 はされていません。
GNU Ghostscript 7.05 は、Free Software Foundationによって配布されている Ghostscript です。(開発はAladdin Enterprisesで、AFPL Ghostscriptが同社 から配布されてから54週経つとGNU GhostscriptとしてGPLというライセンスの基、 公開されます。Thanks:安宅さん)gs-cjk プロジェクトにより、日本語・中国語・ハングルも 扱えます。
とりわけ、pdfwrite というGhostscriptに付属したプログラムについては、日本 語に関しては gs-cjk プロジェクトの成果を取り入れたGNU Ghostscriptの方に分があります。 (LaTeX 文書でTrue Typeフォントを扱える。)Acrobat をお持ちの方やdvipdfmでPDF変換が 事足りている方はこのプログラムは 不要ですが、フリーソフトでDVIファイルから変換し たPSファイルをPDFに変換したいという方は、ぜひGNU Ghostscriptをインストールし ておくといいでしょう。(ただし、和文TrueTypeフォントで多書体を扱いたい方 でもなければ、基本的にAFPL Ghostscript 8.00で十分であり、GNU Ghostscript 7.05をインストールする必要はありません。また、MS Word等由来の文書からPS プリンタドライバで作ったPSファイルをps2pdfで変換するのであれば、HGフォン ト等を使っていてもAFPL Ghostscript 8.00で変換・フォント埋め込みが可能です。)
ちなみに、GSview でGhostscriptを呼び出す際には問題があります。Ghostscript 単体で は(東風明朝のCIDフォントを使用して)正常に表示できるPSファイルの縦書きも、GSviewで はうまく表示されなかったりします。(ただし、「MS ゴシック」TrueTypeフォ ントを使うとうまくいくという報告もあります。もっとも、LaTeXとは関係ない 話ですが、Word文書をPDF化する際にMS明朝等のTrueTypeフォントを用いると、 文字組みが崩れますので、私はこの方法を薦めません。)また、AFPL Ghostscript に比べてインス トール後の設定が若干面倒です。したがって、PSファイルにおける通常の日本語の表示用には AFPL Ghostscript の方が良さそうだ、と いうことになります。
GNU Ghostscript 7.05 を次の場所からダウンロードしてきます。
ftp://ftp.t.ring.gr.jp/pub/text/CTAN/support/ghostscript/gnu/gs705/gs705w32.exe
ダウンロードしてきたgs705w32.exeをダブルクリックすると、次のようなウィ ンドウが出てきますので、[Setup] をクリックします。

インストール先を聞いてきます。既にAFPL Ghostscript等をC:\gsにインストー ルしているなら、下図の[Install to directory](インストール先フォルダ)は C:\gnugsなどに変えることにします。(ただし、角藤先生によると、AFPL Ghostscript 8.00とGNU Ghostscript 7.05とではフォントの 内容はヘッダ以外同一なので、AFPL Ghostscript 8.00と同じフォルダに上書きしてかまわないようです。( ここ を参照してください。角藤先生、ありがとうございます。)また、円記号はバックスラッ シュと同じなので、表示の違いは気にしないでください。)以下C:\gnugsにイン ストールしたと仮定して話を進めます。設定が終わったら[Install]をクリック します。

以上でGNU Ghostscriptのインストールが完了しました。
CMap とは、フォントの内部配列と文字コードとの対応関係を示した表です。(CMapやCIDフォントについて知りたい方は、 http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/pdfs/19960311cid.pdf をご覧下さい。) 後でCIDフォントをインストールすることになりますが、この作業はCIDフォント を使うための前準備というわけです。これを、下のリンク先から2つともダウンロードします。
http://www.matsusaka-u.ac.jp/mirror/gs-cjk/acro5-cmaps-2001.zip
http://www.matsusaka-u.ac.jp/mirror/gs-cjk/adobe-cmaps-200204.zip
これをLhasaや+Lhaca等で解凍(伸長、展開)し、C:\Resource\CMap にコピーしま す。(Resourceフォルダは新たに作ることになると思います。また、その中に Cmap, Font, CIDFont の各フォルダを作ってください。すなわち、
C:\Resource
C:\Resource\CMap
C:\Resource\Font
C:\Resource\CIDFont
のようになります。)acro5-cmaps-2001.zip, adobe-cmaps-200204.zip の順にコピーしておくと いいでしょう。
次に c:\gnugs\gs7.05\lib にある gs_res.ps の 250 行近辺 にある次の 2 行を書き換えます。(後述するCIDフォントや、既にインストール したCMapのあるディレクトリを指 定するわけです。)書き換えにはメモ帳を使い、文書を編集する いつもの要領で書き換えたら、これまたいつもの要領で保存します。250 行と言っても、行数が表示されないエディ タ(メモ帳など)をお使いの方もいらっしゃるでしょうから、検索機能(メモ帳 なら[検索 (S)] -> [検索 (F)])を使って探し出すといいと思います。具体 的には次のようにします。(行末尾の%以下は省略。)
/FontResourceDir (/Resource/Font/) readonly .forcedef
/GenericResourceDir (/Resource/) readonly .forcedef
この上の2行を、下の2行のように書き換えるわけです。
/FontResourceDir (c:/Resource/Font/) readonly .forcedef
/GenericResourceDir (c:/Resource/) readonly .forcedef
書き換えたら、いつもの要領で上書き保存します。メモ帳であれば[ファイル (F)] -> [上書き保存 (S)]です。
さて、日本語表示用のフォントの設定をすることで、Ghostscript や ps2pdf で日本語が扱えるようになります。ここで「MS 明朝」などのTrue Typeフォ ントを使うのも手ですが、gs-cjk プロジェクトもCIDフォントを扱うことを薦め ていることから、ここでは無料で手に入る「東風(こち)明朝、東風ゴシック」 のCIDフォントを使うことにします。
東風フォントは次のリンク先からダウンロードできます。
http://kappa.allnet.ne.jp/Kochi-CID/current/Kochi-Mincho.bz2
http://kappa.allnet.ne.jp/Kochi-CID/current/Kochi-Gothic.bz2
これを解凍すればよいわけですが、bzip2 (*.bz2)という圧縮形式をはじめて見た、 という方がいらっしゃると思います。しかし、「+Lhaca デラックス版」なら対 応しています。普段どおりドラッグ&ドロップしてください。アイコンをダブル クリックして[TGZ]のボタンをへこまし、bzip2に関連付けておけば、ダブルクリッ クで解凍できます。(このような、多くの圧縮形式に対応した解凍ソフトを持っ てない方は、
からダウンロードして、インストールすると良いでしょう。)
解凍し終わったら、C:\Resource\CIDFont にコピーします。
「どのフォントを使うのか」ということをGhostscript に知らせてあげるべ く、C:\gnugs\gs7.05\lib にある CIDFnmap を編集します。といっても、すでに CIDFnmapがありますので、これをCIDFnmap.old などにファイル名を変更してお き、新たにメモ帳等でCIDFnmapを作ることにします。
白紙のCIDFnmapに、次の文字列をコピーしてください。
%東風CIDフォントを使う。
/Ryumin-Light /Kochi-Mincho ;
/GothicBBB-Medium /Kochi-Gothic ;
/HeiseiMin-W3 /Kochi-Mincho ;
/HeiseiKakuGo-W5 /Kochi-Gothic ;
% MSのTrueTypeフォントを使う場合は、上をコメントにし、以下のコメントを解
%除する。(先頭に%をつけることでコメントに出来る。)
%/Ryumin-Light (c:/windows/fonts/msmincho.ttc) 1 ;
%/GothicBBB-Medium (c:/windows/fonts/msgothic.ttc) 1 ;
%/HeiseiMin-W3 (c:/windows/fonts/msmincho.ttc) 1 ;
%/HeiseiKakuGo-W5 (c:/windows/fonts/msgothic.ttc) 1 ;
% HG TrueType フォントの設定
/HGGothicE (c:/windows/fonts/hgrge.ttc) 1 ;
/HGGothicM (c:/windows/fonts/hgrgm.ttc) 1 ;
/HGMaruGothicMPRO (c:/windows/fonts/hgrsmp.ttf) ;
/HGGyoshotai (c:/windows/fonts/hgrgy.ttc) 1 ;
/HGSeikaishotaiPRO (c:/windows/fonts/hgrskp.ttf) ;
/HGSoeiKakupoptai (c:/windows/fonts/hgrpp1.ttc) 1 ;
AFPL Ghostscript 8.00ではソフトの側で設定することを薦めていましたが、 基本的にps2pdfを使うことの多いGNU Ghostscriptでは、環境変数を設定するこ とにしましょう。(AFPL Ghostscriptとの共存時も同じ。)
環境変数の設定をする場合は、GS_LIBという新しい環 境変数を設定します。GS_LIBは
C:/gnugs/gs7.05/lib;C:/gnugs/fonts
を値にします。また、PATHの値には
C:\gnugs\gs7.05\bin;C:\gnugs\gs7.05\lib
を追加します。Windows 95, 98の場合はAUTOEXEC.BATで、Windows Meの場合 はスタートメニューから「ファイル名を指定して実行」でmsconfigを実行すると 出てくる「システム設定ユーティリティ」、Windows NT, 2000, XPは「コントロー ルパネル」の「システム」より設定します。
具体例は環境変数の設定をご覧下さい。 (ただし、Ghostscriptではなく、pTeXの場合が例にあげられています。)
dviout for Windows の設定は、GNU Ghostscript 7.05をps2pdfにしか使わな い予定であれば、不要です。dviout for Windows を起動し、メニューバー の[Option] -> [Setup Parameters...]の順にクリックするとウィンドウが出て きます。ここで[Graphic]タブをクリックします。そして、[gsx:]で
C:\GNUGS\GS7.05\BIN\gswin32c.exe
のように設定し、[On (default)]の項目に黒丸をつけ、[GIF:]という項目の選択肢で[BMP (256 colors)]を選んでおきます。あとは、[Save] -> [OK]の順 にクリックします。
GNU Ghostscriptをプレビュー用として使う場合は、GSview 4.3 のインストールを参考に、インス トールしてください。ただし、後述するように、相性はそれほど良くないようで す。
以下を実行してみてください。
C:\gnugs\gs7.05\bin\gswin32c.exe C:\gnugs\gs7.05\examples\cjk\gscjk_aj.ps
日本語が正確に表示されたでしょうか。EnterキーをおすなどしてGhostscriptのプロンプトが出てきたら、quitコマンドで抜けます。
また、C:\gnugs\gs7.05\examples\cjkフォルダ内にあるgscjk_aj.psをダブルクリックして、GSviewで閲覧してみてください。縦書きが崩れたこと以外がうまくいっていればOKでしょう。以上の設定ではGhostscriptで は縦書きが表示 されるにもかかわらず、GSviewで見たときには縦書きが表示されないようです。 AFPL Ghostscript をPSファイルの表示用に薦めているのはそのためです。(ち なみに、「MS 明朝」等のTrueTypeフォントを用いた場合は、縦書きもうまく いくという報告がありました。
さて、PSファイルの表示用&dviout for Windowsからの呼出に AFPL Ghostscript 8.00 を使い、ps2pdf を使うときのみGNU Ghostscript 7.05 を使うという、「使い分け」をする際に、どの ように共存させればよいかを見ていきます。
ポイントは、「どちらを環境変数で設定し、どちらをソフト側(GSviewや dviout)で設定するか」です。それ以外のインストールおよび設定は、通常通り (共存を意識していないやり方どおり)行います。(ただし、念のためインストー ル先フォルダは別にしておいたほうがいいでしょう。)
まず、AFPL Ghostscript 8.00 においては、「dviout for Windowsおよび GSviewでの設定」をします。詳しくはGhostscript の設定 --- Ghostscript を使用す るソフト側での設定をご覧下さい。環境変数側で設定しないのがポイントで す。
次に、GNU Ghostscript 7.05 では、dviout for Windowsのgsxにおける設定 のみをAFPL Ghostscript 8.00用(リンク先を参照 のこと)に設定し、それ以外はGNU Ghostscript 7.05用の設定を環境変数で行い ます。詳しくは、上に書いたGNU Ghostscript 7.05のインストール方法をご覧下 さい。dviout以外の設定を行っておけばいいでしょう。
(ちなみに、ここのページでは2つのGhostscriptが共存できるようなインス トール方法をメインにして書いていますので、ここのインストールの記述を参考 にした方は、特に新たな設定をする必要は無いかもしれません。
以上で、共存が可能となります。
ここのページを書く際に、奥村先生の「TeX Q& A」の皆様には大変お世 話になりました。私の至らぬ質問に丁寧に答えてくださった、皆様のご親切が無 ければ、ここのページのごとくまとめられなかったでしょう。本当にありがとう ございました。
追記:私のページにあったいくつかの重大な間違いを、「TeX Q&A」の皆 様から指摘していただきました。重ね重ね、御礼申し上げます。
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