基本的な文字整形と、引用・箇条書きの命令たち

目次

まずは文字をいじってみよう

はじめに

さて、本格的に様々な命令を紹介します。まずは、文字を太字にしたり、斜体に したりすることにしましょう。EasyTeXのメニューでの選び方付きで解説してい ます。これでワープロソフトからTeXへ環境を移行するのも、楽になるでしょう。

なお、ここではそれなりの数の命令が出てきますが、いきなり覚える必要は ありません。使っていくうちに少しずつ覚えていけばいいのです。 EasyTeXならマウスを使って選ぶことができますし、読みを「ふとじ」(太字)、 語句を"\textbf"として辞書登録すれば、分かりやすい言葉でTeX命令 を書いていくことができます。英語に強い人なら、そのまま覚えにかかっても何 とかなるかもしれません。とにかく、様々な手段を駆使して何とかできますので、頑張ってみてくださ い。

なお、このサイトではWord等のワープロソフトのユーザーも視野に入れてい ますので、一つ一つWordのアイコンが見せられていて鬱陶しいかもしれませんが、 お許しください。

また、Wordの機能からTeXの説明をしているために、LaTeXの文法構造が見え にくくなっています。きちんとその辺を学びたい方は、市販のLaTeX参考書をご 購入されることをお薦めします。

文字を太字にする

Word のアイコン

Word の太字アイコン

命令の文法

\textbf{太字にしたい文字列}

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [テキストフォント (F)] -> [Bold]

解説

\textbfのbfは、おそらくBold Face(太字、正確にはは肉太)という意味でしょ う。実際は太明朝体ではなく、ゴシック体が使われるようです。「太くす る」という感覚よりも「文字列を強調する」といった感覚で使った方がい いかもしれません。

文字を斜体 or イタリックにする

Word のアイコン

Word の斜体アイコン

命令の文法

\textit{斜体 or イタリックにしたい文字列}

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [テキストフォント (F)] -> [Italic]

解説

Word のWord の斜体アイコ
 ンにあたる命令が\textitです。\textitのitは、お そらくItalicという意味でしょう。日本語は何も指定しないときの形になりま す。(斜体にはなりません。)ただし、実際は英語でもフォントによってはイタリックではなく、斜体が使わ れるようです。Word でもそうですが、イタリックになるフォント(Times系?) とただの斜体になるフォントの2つに分かれます。

文字を(イタリックではなく)斜体にする命令は\textsl です。しかし、フォ ントによっては\textitでも\textslと同じになってしまいます。次の図を ご覧ください。

1行目がTimes Roman, 2行目がHelvetica
 (のつもり)です

結局のところ、イタリックになっているのは、1行目(Times Roman)の左の、 装飾的な文字のみです。後は文字を斜めにしただけのような字体、つまり斜体 です。\textit だからといって、すべてがイタリックになるわけではないのは、Wordと同じで す。ワープロを使う際にも、2行目(Helvetica のつもり)の斜体のようなものを 「イタリック」などと呼ばないよう、注意しましょう。

ちなみにTimes RomanとHelvetica というのは、それぞれフォントの名前です。 どんな形をしているかは、見ての通りです。

文字に下線(アンダーライン)を引く

Word のアイコン

Word の下線アイコン

命令の文法

\underline{下線を引きたい文字列}

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [その他 (O)] -> [下線 (U)]

解説

ワープロソフトでは強調のために頻繁に使われる(と思われる)下線 ですが、TeXでは\textbfを使って強調することが多いためか、あまり使われな いようです。

文字のまわりに囲み線をつける

Word のアイコン

Word の囲み線アイコン

命令の文法

\fbox{囲み線をつけたい文字列}

EasyTeX の場合

メニューバーに項目はないようです。

解説

たぶん\fboxで代用できると思いますが、使う機会は少ないのではない でしょうか・・・。EasyTeXにも項目がないくらいですし・・・。

文字のまわりに網掛け(背景色)をつける

Word のアイコン

Word の網掛けアイコン

命令の文法

プリアンブル(\documentclass{jarticle}と\begin{document}の間のコト) に

\usepackage{graphicx,color}

と書いた上で、本文(\begin{document}と \end{document}の間)で

\colorbox[named]{色名}{網掛け(背景色)を付けたい文字列}

と使う。

EasyTeX の場合

メニューバーに項目はないようです。

解説

dviout fow WindowsがC:\dvioutにインストールされていれば、色の名前はC:\dviout\graphic\color(マイ コンピュータ -> WINDOWS ... (C) -> graphic -> colorとダブルクリックしたところにあ ります。\の意味がわからない方は ハードディスクの中を探検しよう を見ておくことをお薦めします。)の中のcolor.dviで見られます。有名な 色であれば、Blueのように、最初の文字をを大文字にしたものでうまくいくと 思います。

なお、\usepackageという命令は、TeXに標準で読み込まれない拡張機能(マ クロ)を読み込むための命令です。拡張機能といっても、必要なファイルは既 にそろっていますので、\usepackageを使うだけで大丈夫です。

ちなみに、ページ全体に背景色をつける場合は\pagecolor[rgb]{1,0,0.94}で す。詳しくは、後ほど説明します。

文字を縦横比を変えて拡大する方法

Word のアイコン

Word のフォントサイズアイコン

命令の文法

プリアンブルに

\usepackage{graphicx}

と書いた上で、本文に

\scalebox{幅}[高さ]{拡大したい文字列}

と書く。

EasyTeX の場合

メニューバーに項目はないようです。

解説

「幅」や「高さ」は、標準の何倍かで指定します。たとえば、

\scalebox{2}[1]{こんな感じ}

と記述すると、

\scale の出力結果

に表示されます。

フォントサイズ(文字のサイズ)を変更する

Word のアイコン

Word のフォントサイズアイコン

命令の文法

\Huge{文字列}, 以下\huge, \LARGE, \Large, \large, \normalsize, \small, \footnotesize, \scriptsize, \tinyも同様

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [文字サイズ (S)] 以下から適当なものを選ぶ

解説

\normalsizeを普通の大きさとして、それを基準に、\large, \Large, \LARGE, \huge, \Hugeと大きくなり、\small, \footnotesize, \scriptsize, \tinyと小さくなります。ただし、\documentclassで12ptなどと、基準となる文 字の大きさを決めてしまいますので、文字の大きさはそれと比較した相対的な 大きさになります。「全体からみて、どれくらいの大きさか」という観点で決 めてしまいますので、けっこう使いやすいです。

フォントの種類を指定する

Word のアイコン

Word のフォントアイコン

命令の文法

\textsf{サンセリフにしたい文字列}, \texttt{タイプライター体にした い文字列}, \textmc{明朝体にしたい文字列}, \textgt{ゴシック体にしたい文 字列}。プリアンブルに

\usepackage{times}

等書く事で、フォントの組を変えることができる。

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [テキストフォント (F)] -> [明朝 (M)] (など)

解説

英字はサンセリフ体やタイプライター体へ、日本語は明朝とゴシック で入れ替えることが簡単にできます。しかし、「このフォントを使いたい(例: この日本語はHGフォントを使いたい)」 という指定はちょっと簡単ではありません。

英語の場合はフォントのセットで指定することができます。Times系なら \usepackage{times}, Bookman系なら\usepackage{bookman}, Century系なら \usepackage{newcent}でできると思います。(入ってないpTeXのバージョンもあ るかも。)それ以外の指定方法はちょっと知りません。別途そのフォントのtfm ファイルを探す羽目になるかもしれません。

日本語の場合はHGフォントやARフォントなどをコマンド1つで使えるパッケー ジを堀田さんが作ってくださっています。また、作成する文書が本格的な印刷物でなく、多少汚くなっ ても良いのであれば、任意のフォントを使うのに、TFMファイルをjis.tfm等で 代用して使うこともできるかもしれません。(私が試した範囲では、別に汚く は思えなませんでしたが。)このあたりの話は応用的なので、LaTeXで多書体の項に回すことにします。

文字色を変更する

Word のアイコン

Word の「フォントの色」アイコン

命令の文法

プリアンブルに

\usepackage{graphicx,color}

と書いた上で、本文(\begin{document}と \end{document}の間)で

\textcolor[named]{色名}{色を付けたい文字列}

と使う。

EasyTeX の場合

メニューバーに項目はないようです。

解説

dviout fow WindowsがC:\dvioutにインストールされていれば、色の名前はC:\dviout\graphic\color(マイ コンピュータ -> WINDOWS ... (C) -> graphic -> colorとダブルクリックしたところにあ ります。\の意味がわからない方は ハードディスクの中を探検しよう を見ておくことをお薦めします。)の中のcolor.dviで見られます。有名な 色であれば、Blueのように、最初の文字をを大文字にしたものでうまくいくと 思います。

なお、\usepackageという命令は、TeXに標準で読み込まれない拡張機能(マ クロ)を読み込むための命令です。拡張機能といっても、必要なファイルは既 にそろっていますので、\usepackageを使うだけで大丈夫です。

文字列をいじってみよう

はじめに

文字列を中央ぞろえにしたり、箇条書き環境を作ったりする命令を紹介しま す。

中央ぞろえ、右揃え

Word のアイコン

Word の「フォントの色」アイコン

命令の文法

\begin{(文字列の位置)}\end{(文字列の位置)}で挟む。(文字列の 位置)にはcenter(中央揃え)、flushleft(左揃え)、flushright(右揃え) がある。

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [その他 (O)] -> [センタリング (C)](中 央揃え) or [左揃え (L)] or [右揃え (L)]

解説

\begin{}と\end{}の組は、文字列をそろえるための命令ではありませ ん。\beginと\endについては前にも述べたように、範囲に対してある意味付け or 作用を及ぼすためのペアで、「環境」と呼びま す。たとえばcenterなら、\begin{center}と\end{center}の間の文字列は中央 揃えされます。そして、その文字列の部分が「center環境」というふうに呼ぶ のです。

均等割付

Word のアイコン

Word の「均等割付」アイコン

命令の文法

プリアンブルに

\def\kintou#1#2{\leavevmode \hbox to #1 {%
\kanjiskip=0pt plus 1fill minus 1fill
\xkanjiskip=\kanjiskip #2}}

と書いた上で、本文で用いたいときに

\kintou{9zw}{均等割付したい文字列}

のように 使う。ただし、9zwは「9文字分の空間に均等割付する」という意味で、20文字分 なら20zwとする。また、9zwの代わりに\textwidthにすると、文書の文字幅分の 均等割付ができる。

EasyTeX の場合

メニューバーに項目はないようです。

解説

プリアンブルに書く3行は無理して覚えるべきものではありません。PhraseBOXなどに登録しておくといいでしょ う。pTeXのパッケージには(たぶん)入っていないので、このようにプリ アンブルに3行を加えて、均等割付の命令を作ってあげないといけません。

3つの箇条書き環境

Word のアイコン
Word の、箇条書きと段落番号のアイコン
命令の文法

\begin{(箇条書きの種類)}と\end{(箇条書きの種類)}で挟む。(箇条 書きの種類)にはitemize(・付き箇条書き)、enumerate(番号付き箇 条書き)、Word のツールバーには用意されていないようであるがdescription (説明用箇条書き)がある。番号や点の部分に\itemを置き、description 環境の場合は\item[見出し]のようにする。

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [箇条書 (I)] -> [・付き箇条書き (I)] (itemize) or [番号付き箇条書き (E)] (enumerate) or [説明用箇条書き (D)]

解説

説明用箇条書きであるdescription環境は見出しがつくので、多少長い文が後に続く箇条書き においてよく使われ、itemizeやenumerateとは少し趣が異なります。用例と出力結果をお見せします。itemize, enumerate, descriptionの 順に書いていきます。

\begin{itemize}
\item 人文科学
\item 社会科学
\item 自然科学
\item 学際分野、すなわち人文科学、社会科学、自然科学といった学問分野の枠 に囚われず、総合的観点で広く物事を見ていき、先の3分野の間を取り持つ役割 が期待される(?)分野
\end{itemize}

\begin{enumerate}
\item 人文科学
\item 社会科学
\item 自然科学
\item 学際分野、すなわち人文科学、社会科学、自然科学といった学問分野の枠 に囚われず、総合的観点で広く物事を見ていき、先の3分野の間を取り持つ役割 が期待される(?)分野
\end{enumerate}

\begin{description}
\item[人文科学] 人間の本質、人間の生み出した文化などを探究する学問
\item[社会科学] 人間観の係わり合い、相互作用の場である社会に関する学問
\item[自然科学] 自然の仕組み、若しくは生命体の仕組み、相互作用などを探求 する学問
\item[学際分野] すなわち人文科学、社会科学、自然科学といった学問分野の枠 に囚われず、総合的観点で広く物事を見ていき、先の3分野の間を取り持つ役割 が期待される(?)分野
\end{description}

出力結果です。

3つの箇条書き環境の出力

なお、学問分野の定義の正しさについては保証しません。箇条書きの説明のため にでっち上げたものですので。

文章の引用、もしくはインデント

Word のアイコン

Word の「インデント」・「インデ
 ント解除」アイコン

命令の文法

\begin{(引用の種類)}と\end{(引用の種類)}で挟む。(引用の種類) にはquote(段落先頭の字下げ無し)、quotation(段落先頭の字下げあり)、 verse(韻文、詩歌)、verbatim(入力通り<<主にプログラムの記述用環境>>)がある。

EasyTeX の場合

[TeXテキスト (T)] -> [引用文 (Q)] -> [引用文中の字下げなし] (quote環境) or [引用文中の字下げあり] (quotation 環境)、もしくは[TeXテキスト (T)] -> [その他 (O)] -> [詩歌用環境 (V)] (verse 環境) or [入力通 り (L) (プログラムリスト等)] (verbatim 環境)

解説

引用例と出力結果をお見せします。quote, quotation, verse, verbatimの順に使用しています。


 次の文章は、難解な文章で知られるアイルランド
の作家、James Joyceの『フィネガンズ・ウェイク』よりとったものであります。

\begin{quote}
水のことなんて聞こえやしない。チタリンの水のことなんか。ひらひら飛ぶ蝙
 蝠、野鼠のいやらし話。へぇ、まだ帰ってないのか。トム・マロンがどうした。
\end{quote}

いきなり引用したから、わけがわからないのでしょうか。いえ、必ずしもそうではないでしょう。
なぜなら、全編にわたって、こうした感じなのですから。

\begin{quotation}
水のことなんて聞こえやしない。チタリンの水のことなんか。ひらひら飛ぶ蝙
蝠、野鼠のいやらし話。へぇ、まだ帰ってないのか。トム・マロンがどうした。
\end{quotation}

J.Joyce は他にも『ユリシーズ』を書いています。なお、Joyceの謎解きをしてみたい方は、
「ジェームス・ジョイスの謎を解く」(岩波文庫)あたりが面白いのではないでしょうか。

\begin{verse}
水のことなんて聞こえやしない。チタリンの水のことなんか。ひらひら飛ぶ蝙
蝠、野鼠のいやらし話。へぇ、まだ帰ってないのか。トム・マロンがどうした。
\end{verse}

彼の文章は、まるで難解な詩歌のようです。

次に、人工言語の例を挙げましょう。
\begin{verbatim}
#include <stdio.h>
int main (void) {
    printf("おお友よ、
    このような音ではなく・・・\n");
}
\end{verbatim}
Windows 環境の方は、jlgrindというツールを試してみると、
美しいソースリストが生まれることでしょう。

出力結果です。

引用環境の出力例

文の最後にも書いてありますが、ソースコードの出力にはlgrindというフリー ツールをTeXと組み合わせて使うと強力です。Windowsには日本語版(jlgrind) がありますので、使ってみるといいでしょう。

脚注、傍注

命令の文法

脚注は

\footnote{脚注に書きたい文字列}

傍注は

\marginpar{傍注に書きたい文字列}
EasyTeX の場合

脚注のみで、[TeXテキスト (T)] -> [その他 (O)] -> [脚注 (F)]

解説

脚注は、ページ下のほうに小さな文字で出てくる注で、傍注は横の方 に出てくる注です。

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