「パッケージ」(スタイルファイル)とは、TeXのコマンドの定義が記されているファイルと 考えてください。TeXで「化学構造式」とか、新たな機能を付けたいときは、こ のパッケージと、場合によってはフォント関連ファイル もインストールすることになります。(楽譜を作るMusiXTeX は、この 他実行ファイルとかをインストールすることになりますが。)
なお、フォントのインストール時には、パス名を見て、手動でファイルをコ ピーするだけの知識が必要になります。知らない方は、 ハードディスクの中を探検しよう を見て、それなりに知識を得ておいてください。ただし、ここでは"/"(スラッシュ)をパス名の区切り記号(「〜 の中の〜」にあたる記号でした)として使うこともあ りますので、注意してください。(「スラッシュ」を使うのは、インターネット 上や、Unix系OSに見られます。URLを見れば、スラッシュがたくさん使われてい ることが分かるでしょう。http:// のスラッシュやその他一部を除けば、それはパス名の区切り記号なのです。)
パッケージを探す方法は2種類あります。
1 はすぐに思いつかれるでしょう。Googleなどの検索サイト(サーチエンジ ン)から探し出すのです。日本で使われるパッケージを探すのにも有効ですし、 そのパッケージの関連情報のページが見つかるかもしれません。英語が苦手な方 は、この方法を積極的に利用するといいでしょう。
しかし、2 の方法もぜひ活用すべきです。このTeX関連のパッケージを集めた 場所(サーバ)はCTAN(シータンと読む。Comprehensive TeX Archive Network の略。)と呼ばれます。CTANのサイトは世界にいくつかあり、CTAN内のファイル をそっくりコピーした「ミラーサイト」と呼ばれるものは世界中にあります。 (日本でも、理研、会津大学、Ring Serverなどがミラーサイトになっています。 )そこからパッケージを検索し、パッケージの入ったフォルダをダウン ロードする、という方法をとります。なお、この方法は、パッケージ名がわかっ ている場合に非常に有効です。
ここでは2の方法を述べます。まず、CTANにアクセスし、 CTANのファイル名検索 に検索したい文字列を入れ、[Search]ボタンをクリックして検索します。 ここではcchessパッケージ(中国象棋のパッケージ)を例にして説明し ます。

すると、次のように結果が表示されるはずです。検索結果のうち、角藤版pTeX(pLaTeX2e)やUnix上のteTeXなどで使えるパッケージは 大半が"macros/latex/"ではじまる場所にある はずです。ここでは、macros/latex/contrib/cchess.zipをクリックします。(他にもcchessに該当するものはありますが、zipで圧縮して一まとめにしていないファイルか、あるいは角藤さんのpTeX向けのパッケージではないため、選びませんでした。)
contribディレクトリ内のすべてのファイルが表示されました。cchessの項目を探し、その項の entire subdirectory(すべての中に含まれているフォルダを圧縮して一まとめにしたもの)をクリックしてください。

ミラーサイトの選択です。ここでは日本の理研のサーバを選んで、(図にはありませんが、)ずっと下のほうのSubmitボタンをクリックします。

ftp://ftp.riken.go.jp/pub/tex-archive/macros/latex/contrib/cchess.zip をクリックしてダウンロードします。

これでcchessパッケージをダウンロードできました。
パッケージをダウンロードし、解凍すると、拡張子がtfmやらstyやら、多く のファイルが出てくることでしょう。これをTeXのフォルダの適切な場所に置けば、 インストール完了です。readme ファイルの類がついていれば、それを読んでお きましょう。以下のインストール方法は一般論です。readmeファイル等が見当た らない場合などに、利用するといいでしょう。
まず、拡張子がinsやdtxのファイルですが、これはLaTeXで処理します。初心 者の場合は、ddrp-platex(.exe) をコピーし、 ddrp-latex(.exe) に名前を変更 して、それにinsやdtxのファイルをドラッグ&ドロップします。(日本のパッケー ジなら、ddrp-platex(.exe)の方がいいかもしれません。"ddrp-な んとか"って何だ、と思った方はddrp-platex の利用をご覧下さい。MS-DOS プロ ンプト等に不慣れな方は、これを利用するとかなりの問題をドラッグ&ドロップ で解決できてしまいます。)
手馴れている方は、MS-DOSプロンプト(コマンドプロンプト)で、insファイル やdtxファイルに対し、次を実行し ます。(ファイル名がfoo.insおよびfoo.dtxの場合。)
latex foo.ins
latex foo.dtx
これで、パッケージファイルや関連ファイル、文書等が出てくることでしょ う。ins ファイルの場合はパッケージファイル、dtxファイルの場合はマニュア ル類が出てくることが多いでしょう。
さて、関連ファイルをインストールしてしまいます。readme に特に何も 書かれてない場合、自分で考えてインストールします。
古いやり方では、texmfフォルダに自分用のパッケージファイルを入れていましたが、TeXのアップデート時に自分の設定ファイルなどが上書きされるなどして不便でした。そこで、最近(TDS 1.1以降)はtexmfフォルダ以下と同じような構造の「texmf-local」というフォルダを作り、その中に入れることが多くなりました。
あなたのパソコン環境における、texmf-localフォルダがC:\usr\local\shareの中にあると仮定しますと、以下で「texmf-local\fonts」と書かれている場合は「C:\usr\local\share\texmf-local\fonts」にあると仮定します。
フォントの大きさなど、フォントの枠組みを定義しているtfmファイル はtexmf-local\fonts\tfmに個別のフォルダを作ってその中に入れ ます。フォントそのものであるmfファイルはtexmf-local\fonts\sourceに個別のフォルダ を作ってそこに入れます。フォントをビットマップ化(細かい点であらわすこと)したファイルであるpkファイルは自動生成されるのでインストールしなくても良いですが、texmf-local\fonts\pk の フォルダから適切な解像度を選んでインストールしておきます。分からない方は とりあえずbjtenexフォルダに個別のフォルダを作ってインストールしておけば いいでしょう。
フォントの対応表に相当するmapファイルは、texmf-local\fonts\map以下の適切なフォルダに移動します。dvips用のmapファイルやdvipdfm用のmapファイルのように分かれていれば、dvipsやdvipdfmなど、それぞれのフォルダの中に適当なフォルダを作って入れます。特に分かれておらず、一つしかないようであれば、とりあえずdvips用のフォルダ、すなわちtexmf-local\fonts\map\dvipsの中に適当な名前のフォルダを作って入れます。その上で、コマンドプロンプトより次を実行します。(mktexlsrは必要な方のみ。また、mapファイルの名前をfoo.mapとします。)
mktexlsr
updmap --nomkmap --add foo.map
updmap
こうすることで、自動的にdvips用のmapファイルからdvipdfm用など、別のコマンド向けのmapファイルが生成されます。(Linuxなどで用いられるupdmapのオプションとは異なります。)
また、パッケージ(拡張子がstyのファイル) は、だいたいtexmf-local\tex\latex 以下に置きます。日本語のみならず、英語でも使うパッケージはここに入っています。また、整理上、日本語でしか使わないパッケージはtexmf-local\ptex\platex以下に置きます。ですので、基本的に新しいパッケージを導入する際には、その下にパッケージを置けば、インストールの第一段階はクリアとなります。
インストールの第二段階は、C:\usr\local\share\texmfやC:\usr\local\share\texmf-localなどのフォルダの中にどのようなファイルがあるかという情報が記載されているls-Rデータ ベースファイルを更新することです。これはMS-DOSプロンプト(コマンドプロン プト)を立ち上げていき なり次のコマンドを打ち込めばOKです。([スタート] -> [ファイル名を指定し て実行 (R)...]で出てきたウィンドウで、その中の欄にmktexlsrと入力し、OKボ タンを押してもい いです。)それなりにスペックがあるパソコンであれば、ls-Rファイルを削除しても大丈夫です。
mktexlsr
これでインストールが出来たはずです。サンプルのTeXソースがあれば、それ をためしにコンパイルします。もしもDVIファイルがCannot resolve fontsなど のエラーを出した場合は、TeXソースと同じフォルダにPKファイルがあれば、先 ほどPKファイルをインストールしたように、C:\usr\local\share\texmf\fonts\pk 以下のフォルダから適切な解像度のフォルダ(分からない人はbjtenex)を選ん でそこに個別のフォルダを作っておきます。Cannot resolve fontがなくなるま でひたすら繰り返せば、じきエラーが無くなるかもしれません。それ以外のエラー の対処法はわかりません。(パッケージ固有の問題かもしれませんので・・・。)
以上で、パッケージのインストールは完全に終わったはずです。ただし、他の作業を要する ことがあるかもしれません。それについては、それ ぞれのパッケージのインストールの説明の部分で述べていきます。
さて、手に入れたパッケージには、ほとんどの場合マニュアルが付いていま す。しかし、たいがいの場合は英語で、使い方が複雑なパッケージだと読む気が うせます。
そこで、パッケージを日本語で解説したページを探すことになります。親切 なところだと、インストールの方法まで解説したところがあるかもしれません。 ということで、検索サイト(サーチエンジン)を使って探し出すことになると思 います。
しかし、TeX の解説ページは山とあります(しかも、私のところなんかより も正確で網羅的なものも多い)が、TeX のパッケージの解説サイトとなると、内 容がマニアックすぎるためか、極めて少なくなります。(とりわけ、化学構造式 を描くXyMTeXというパッケージの日本語解説サイトはGoogleで探した限り見つか らず、作者の書いた日本語のXyMTeX入門書も@nifty会員以外は入手不可です。 日本語マニュアルは書籍の形で入手できますが、高価な上に入手困難な状況です。 結局筆者がXyMTeXの入門部分を解説したページを作らざるを得ませんでした。)
さて、それでもなんとかGoogleに解説ページや、そこへのリンク先が記され たリンク集のページが引っかかったとします。そのリンク先にページがあれば、 まさに万々歳なのですが、しか しこれまたよくあるのですが、既にリンク先が切れている場合があります。ペー ジが移転したのか、ページの筆者が意図的にコンテンツを引っ込めたのでしょう。
たとえば、楽譜作成用パッケージであるMusiXTeXを日本語で詳細に解説した 以下のサイトは、既にページがなくなっています。
http://www.jaist.ac.jp/~sanya/musixtex/musixjdoc.htmlしかし、それでもどうしてもここのページが見たい、と思う人も多いでしょ う。そこで、Internet Archiveというサイトを紹介しま す。
http://web.archive.org/ここはどんなサイトかといいますと、世界中のホームページ(web page)を保 存しまくる、いわば「インターネットの図書館」といってもいいようなサイトな のです。したがって、筆者本人が削除しようが、過去に保存されたホームページ はそのサイトに残っている可能性がある、というわけなのです。ホームページ製作 者にはいい迷惑かもしれませんが、ただただ情報を仕入れたいインターネット利 用者にとっては大きな福音といえるでしょう。
簡単に使い方を説明します。下の図のように、WayBack Machineの下のほうに ある欄にURLを記入し、[Take me Back!]ボタンを押すだけです。そうする と、運がよければサイトの保存データが見つかるはずです。(上のMusiXTeX解説 サイトの場合は見つかりました。)
ちなみにホームページ製作者にお願いなのですが、ホームページで リンク集を持っている方は、リンク切れのページも(「リンク切れ」と付記した 状態で)残しておいてくれると助かります。(よく、「リンク切れしたリンクを そのままにするな」という箴言を見かけますが、個人的にはありがた迷惑な話だ と思います。Internet Archveの存在を知らない方が書いたとしか思えません。)
また、ホームページを製作している方は、Internet Archiveに保存されることを考 慮して、出来るだけ後世に残したくないデータをホームページ上に載せないこと を強く推奨します。永遠の汚点を残さないよう、くれぐれも気をつけてください。
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