毎年、年賀状のネタには悩まされますね。「筆まめ」などの年賀状作成ソフトを使うことで、年賀状の作成も簡単になりますが、そうしたソフトがない人や、年賀状作成ソフトを使って作る年賀状に飽きた人がいるかもしれません。
そこで、せっかくTeXを覚えたのですから、TeXで年賀状を作ってみることにしましょう。TeXの高度な組版を活かした、「文字の美しさ」あふれる年賀状もまた、一興かもしれませんよ。
葉書の宛名面を書くのに便利な、葉書用クラスファイルがあります。
配布元は、以下のサイトです。
http://pub.ks-and-ks.ne.jp/prog/latex2e-lib.html(ちなみに、@niftyにももう1つパッケージファイルがあったはずです。)
インストール方法ですが、hagaki.clsをパッケージファイル(スタイルファイル)の置き場所にコピーするだけです。たとえば、texmfフォルダがC:\usr\local\shareフォルダの中にあるのであれば、C:\usr\local\share\texmf\texフォルダ(ptexフォルダのほうが良いですが、私はパッケージファイルをtexフォルダの中に一括してまとめてしまっています。)にたとえばhagakiフォルダでも作り、その中にhagaki.clsをコピーする、といった手はずになります。この作業が終わったら、毎度おなじみ次のコマンドを実行します。
mktexlsr
次に、dviout for Windowsで出力する用紙サイズを葉書の大きさにします。それには、メニューバーから[Paper] -> [Post Card (100 mm x 148 mm)] と選んでいけばOKです。ただし、この方法だと、次にdvioutを起動した際には元の用紙サイズの設定になってしまいます。それがいやであれば、メニューバーより[Option] -> [Setup Parameters...]と選び、出てきたダイアログボックスで[Paper]タブをクリックし、[Paper size:]の項目を [Post Card (100 mm x 148 mm)]にし、[Save], [適用 (A)], [OK]と押せば、次回起動時にも用紙サイズが葉書の大きさになります。
では、早速使ってみましょう。まずは\documentclassでのhagaki.clsの指定、プリアンブルに書く、文字の出力位置の調整です。表の「郵便はがき」の文字の上端から宛先郵便番号の箱の上端までの長さを\OmoteTopMarginで、横のほう(どこからどこまでの長さかは不明)を\oddsidemarginで指定します。(文字の出力位置については、実際に年賀葉書用に試行錯誤して割り出したものを示しますので、下のものをコピーしてそのまま使っていただいても大丈夫だと思います。)
\documentclass{hagaki}
\OmoteTopMargin{-0.7cm}
\oddsidemargin=-2.8cm
\begin{document}
(葉書に書く内容)
\end{document}
あとは、上のコードの「(はがきに書く内容)」にあたる部分を埋めていきます。では、まずは宛名面から書いてみましょう。
まず、差出人(多くは、年賀状を書いている自分のことですね)の住所と名前・郵便番号からです。「何故左から書くんだ、普通右から左に書くもんだろ?」、と思うかもしれませんが、差出人から書くやり方のほうが、TeXで処理する際にエラーが出なくてすみます。
差出人の住所を「炉土乃県詐欺市亞町二ー三 喰らうDIOアパート 二三号室」とします。(なんだか二行にわたりそうな住所ですね。)名前は「夷隅 丈治」(姓(family name)を「夷隅」、名(first name)を「丈治」)とします。郵便番号は「213-9963」とでもしておきましょう。この場合、次のように書けばOKです。(住所の文字の大きさを\normalsize(普通の大きさ)にしています。)
\OurAddressStyle{\normalsize}
\OurAddress{炉土乃県詐欺市亞町二ー三 \\
喰らうDIOアパート 二三号室}
\OurFamilyName{夷隅}
\OurName{丈治}
\OurZip{213-9963}
\OmoteJusho
上の内容を確認します。差出人の住所を\OurAddress、姓を\OurFamilyName、名を\OurName、郵便番号を\OurZipで指定しています。二行になりそうなときは\OurAddress内で\\(改行)と書き、次の行を書くようにするといいでしょう。最後に\OmoteJushoでここまでの内容を出力します。ここまでの部分で、宛名面が下の図の部分まで出来上がりました。(ただし、まだ出力テストはしないでください。宛先の住所・氏名を書いてからテストします。)
次に、宛先を書くことにします。宛先の住所を「銅乃県御丸市気味区二ー四 或腑巣ハイツ 三二号室」とします。(なんだか二行にわたりそうな住所ですね。)名前は「大井 某」(姓(family name)を「大井」、名(first name)を「某」)とします。郵便番号は「919-9936」とでもしておきましょう。この場合、次のように書けばOKです。
\omote{大井}{某 様}{919-9936}{銅乃県御丸市気味区二ー四 \\ 或腑巣ハイツ 三二号室}
宛先の住所および名前は\omoteという命令を使い、まとめて記します。最初に姓、次に名(「様」などをつけるのを忘れずに!)、3番目に郵便番号、最後に住所を書きます。さて、これで先の差出人と合わせて次の出力が得られます。
これで宛名面が完成しました。では、ここまでのコードをまとめてみます。(以下のものはそのままTeX処理が通るものです。)
\documentclass{hagaki}
\OmoteTopMargin{-0.7cm}
\oddsidemargin=-2.8cm
\begin{document}
\OurAddressStyle{\normalsize}
\OurAddress{炉土乃県詐欺市亞町二ー三 \\
喰らうDIOアパート 二三号室}
\OurFamilyName{夷隅}
\OurName{丈治}
\OurZip{213-9963}
\OmoteJusho
\omote{大井}{某 様}{919-9936}{銅乃県御丸市気味区二ー四 \\
或腑巣ハイツ 三二号室}
\end{document}
\newpage(次のページに進めるための命令)の下に、次の人の宛名面を書くか、年賀状の文面を書いても良いでしょう。
なお、明朝体がいやな人は、次を参考に、フォントを一括置換すると良いでしょう。(私は「@HG正楷書体」に置換しました。)
「dviout for Windows 3.15 を用いる方法 」文面(裏面)については、お絵描きソフトを使用して作成するのが良いでしょう。葉書のサイズは100 mm x 148 mmですので、そのサイズを指定して新規作成すると良いと思います。
TeXで書く場合は、本文をminipage環境で囲むといいかもしれません。(27文字詰めくらいがちょうど良いのではないでしょうか。)たとえば次のような感じです。
\begin{minipage}[t]{27zw}
昨年は、大変お世話になりました。今年も頑張っていこうと思いますのでよろしくお願いします云々。。。
\end{minipage}
なお、漢文や和歌・俳句用のパッケージもTeXにはありますので、そういった ものを使うと、絵などを使わなくとも表現豊かな年賀状が作れるでしょう。詳細 は
LaTeX で縦書き編集(和歌・俳句、漢文含む)を御覧ください。
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