WinShellは、TeX文書をできるだけGUI(マウスクリックで動かしていくやり方) で編集し、TeXにかける作業もGUIで行えるようにしてくれたフリーソフトで、 『LaTeX2e美文書作成入門』で紹介されています。(私もこれで知りました。なお、 この本に収録されているWinShellは2.2だったと思いますが、これよりも新しいバージョン(3)が出ていることに注意してください。)

WinShell の配布先は次のサイトです。
同種のソフトと比べてTeX入力支援機能・ツールバー等が豊富であり、またGUIにおけるカスタマイズが非常にしやすいのも特徴です。命令(コントロールシークエンス)のカラー表示・表の作成もできますし、複数ファイル編集時にはタブから選ぶことも出来ます。文書左側の行番号の表示、dvioutとの連携機能のサポートも便利です。
以前は日本語対応が弱いという印象でしたが、WinShell 3.0になってからはUnicode対応を 果たし、メニューも日本語のものが公式で用意されるようになりました。(「日本語が弱い」というのは、たとえば上の画面のような日本語を入力すると文字化けしていたということです。しかし、こうした文字化けの問題も 解決しているようです。)また、TeXファイルは従来どおりShift_JISコードで保存しますので、そのままpLaTeXにも通せます。これで、日本人でも安心の、非常に使いやすいTeX入力環境の一つになったのではないかと思います。是非試してみてください。
問題点は、断りもなく自動的に拡張子がtexのファイルがWinShellと関連付けられることです。初心者の方であればかえってそのほうがやりやすいので欠点でもなんでもないのですが、テキストエディタを使いこなす中級者以上の方はご注意ください。
インストールは簡単です。つまり多くのWindowsソフトのインストール時に聞かれる質問 に答えていけば良いです。
しかし、こうした一般的なWindowsソフトのインストールの流れをあまりよく 知らない方もいらっしゃるかと思いますので、WinShell 2.0のインストールをネ タに、紹介していきます。(注意:ここでインストールプログラムの質問の要約 をしています。いくつかで、明らかにインストールプログラム側で使っていない 用語をここで用いていますが、「ここではこういう意味なんだ」とファジィにとっ ていただけるとうれしいです。)もちろん、インストールに関する説明書があれ ば、そちらの説明を優先させるべきです。この説明は、すべてのインストールプ ログラムを余すところなく説明しているわけではありません。
セットアッププログラム(ここではWinShell30.exeです)をダブルクリックすると、英語で「WinShellのセットアッププログラムにようこそ」という表示が出ます。 [Next]をクリックしましょう。 インストールは一種の流れ作業のごとく進みますの で、「OK」ではなく「Next」(日本語では「次へ」)なのでしょう。

次は使用許諾書です。これをのまないことにはソフトを使わせてもらえませ ん。特に理由をお持ちでなければ、「I accept the agreement」、つまり「はい、使用許諾所の条 件にしたがって、ソフトを使います。」と答えればよいでしょう。

「どこにソフトをインストールしますか?」と聞かれます。しかし、た いがいのインストールプログラムでは既に「インストールすべき場所」を決めて くれています。これなら初心者も安心ですね。というわけで、黙って「Next」 をクリックします。 もちろんハードディスクの容量が不足しているときやインストールするためのドライブを新たに作っているときなど、特別な理由があるときは、その限りではありません。

「Windowsのスタートメニューにショートカットを作りますよ」と言っ てきます。別段構わないので「Next」をクリックします。

「WinShellのショートカットをデスクトップかクイック起動ツールバーに作りますか」と聞いてきます。クイック起動ツールバーはWindowsのスタートメニューボタンの隣(画面全体から見て左下)にある、ショートカットを置くための領域です。私は両方にチェックを入れましたが、お好みでチェックを入れるなりはずすなりして下さい。設定が終わりましたら「Next」をクリックします。

こうしてインストールが始まり、そのうち、完了したというメッセージが出ます ので「Finish」(日本語では「完了」)をクリックしてインストールプログラム を終了します。

初めて起動したときに、"Choose Language"と聞かれます。WinShell 3.0から正式に日本語メニューを表示できるようになりました。迷わず[Japanese]を選び、[OK]をクリックしましょう。

WinShellの対価について「タダだけど寄付歓迎」という旨の説明が表示されます。大いに気に入った方は寄付を検討してみるのもいいかもしれません。[OK]をクリックします。

WinShellの紹介とライセンスについて表示されます。[OK]をクリックします。

さて、これから設定をしなければなりません。WinShellは欧米由来のソフトですので、日本語版TeX環境を使うためにはそのための変更が必要になります。また、このままでは日本語が入力できませんので、表示フォントも変更しておく必要があります。
まず、これからツールバーのLaTeXボタンなどに割り当てられたコマンドを変更する作業を行います。これを行うことで、ツールバーよりLaTeXボタンなどを押すことで、日本語環境に合ったLaTeXコマンドなどを呼び出すことが出来るようになります。メニューバーより[オプション]→[主なTeX関連プログラムの設定]と選び、右の[プログラム]のリストより「LaTeX」を選びます。[exeファイル名]が「latex」になっていますが、これは欧米用のコマンドですので、日本語を扱いたい場合は「platex」に直しておきます。(先頭にpをつけるのです。)他は特にそのままで構いません。

以下、上のようにしてどんどん設定を変更していきます。同様に、右の[プログラム]のリストより次の「BibTeX」を選び、[exeファイル名]を「bibtex」ではなく、「jbibtex」に直しておきます。先頭にjをつけるのです。

同様に、右の[プログラム]のリストより次の「DVIView」を選びます。通常は自動的にdvioutの位置が検出されていると思いますが、合ってない場合は[参照]ボタンをクリックするなりしてdvioutの位置を指定します。(よく分からない方は、適当なフォルダを開き、ツールバーの[検索]ボタンをクリックして「dviout.exe」または「dviout」を、探す場所に[マイ コンピュータ]などを指定して検索し、位置が分かったら改めて[参照] ボタンなどから指定してください。インストールしてない場合は後回しにしましょう。)

右の[プログラム]のリストより次の「DVI->PS」を選びます。これはdvipsではなく、「dvipsk」にします。(末尾にkをつけるのです。)

右の[プログラム]のリストより次の「GSView」を選びます。通常は自動的にGSViewの位置が検出されていると思いますが、合ってない場合は[参照]ボタンをクリックするなりしてGSviewの位置を指定します。(よく分からない方は、適当なフォルダを開き、ツールバーの[検索]ボタンをクリックして「gsview32.exe」または「gsview32」を、探す場所に[マイ コンピュータ]などを指定して検索し、位置が分かったら改めて[参照] ボタンなどから指定してください。インストールしてない場合は後回しにしましょう。)

右の[プログラム]のリストより次の「PDFLaTeX」を選びます。これはpdflatexではなく、「dvipdfmx」にします。さらに、[コマンドライン]を"%s.dvi"のように直しておきます。

右の[プログラム]のリストより次の「PDFView」を選びます。通常は自動的にAdobe Readerなど、PDF閲覧ソフトの位置が検出されていると思いますが、合ってない場合は[参照]ボタンをクリックするなりしてソフトの位置を指定します。(よく分からない方は、適当なフォルダを開き、ツールバーの[検索]ボタンをクリックして「acrord32.exe」または「acrord32」などを、探す場所に[マイ コンピュータ]などを指定して検索し、位置が分かったら改めて[参照] ボタンなどから指定してください。インストールしてない場合は後回しにしましょう。)

以上で、ツールバーとコマンドの対応付けの修正作業が完了しました。最後に、表示フォントの変更です。メニューバーの[オプション]→[フォント]で、[変更]ボタンをクリックします。

そして、[フォント名]を「MSゴシック」など、お好みの日本語フォントを選択します。さらに、[書体の種類]を「日本語」にします。(よく忘れるので、この作業を絶対に忘れないこと!)[OK]をクリックすると表示フォントが変更されます。

以上で基本的な設定の変更は終了です。お疲れ様でした。あとはどんどんLaTeX文書を作成していきましょう。